はじめに
私達家族は出産は韓国で行い、その後は産後ケア施設を利用しました。
(※韓国では産後ケア施設を「조리원(ジョリウォン)」といいます。)
韓国では一般的な産後ケア施設。産後ケア施設とはどのようなところなのでしょうか。
韓国には「産後ケア天国」という言葉があるくらい産後ケア施設での生活は快適です。
産後ケア施設は「24時間体制で赤ちゃんの面倒を見る専任スタッフがるホテル」をイメージしてもらえると良いと思います。
探せば日本にも産後ケア施設はありますが、絶対数が少く普及しているとは言い難い状況です。
日本の産後ケアの現状
私達は日本と韓国のどちらで出産するかを検討しているとき、両国の産後ケアの状況について調べました。
日本では主に
- 産後ケア施設に滞在する
- ケアをしてくれる施設に通う(日中のみ)
- 自宅にヘルパーさんを呼ぶ(日中のみ)
という選択肢があります。
但し、日本の産後ケア施設は絶対数が少ない上に利用料金が高いです。私達にとって日本で産後ケア施設を利用することは現実的ではありませんでした。
とはいえ産後の身体の回復ができていないときに施設に通うのはママの身体への負担が大きいです。
自宅にヘルパーさんを呼べば通う必要はなくなりますがヘルパーさんがいない時間帯にママが動くことになってしまいます。
出産後のママの身体のことを考えると出産後2週間〜3週間程度は産後ケアの施設に滞在することが望ましいです。
しかしながら、日本で産後ケアを利用しようとするとかなりの金額がかかることを覚悟しなければならないのが現状です。
韓国の産後ケアの一例
私達夫婦が利用した産後ケア施設についてお話ししたいと思います。
サービスの内容
主なサービスの内容は以下のものがありました。
- 赤ちゃんを24時間体制で面倒見てくれる。
- 室温を快適な温度に保つことができる。
- 毎日室内清掃をしてくれる。
- 施設から貸与された服は毎日新しいものに交換してもらえる。
- 搾乳機を貸し出ししてくれる。
- 週に1回、母乳が出やすくなるようにマッサージをしてくれる。
- トイレ、シャワー、ビデ、冷蔵庫、テレビなどが各部屋に設置されている。
- 部屋が広かった(私達の部屋はシャワールームやトイレを抜かしても12畳くらいあったと思います。)
良かった点
赤ちゃんの面倒をみてくれる
産まれたばかりの赤ちゃんは短いサイクルで母乳を飲みます。
夜中だろうが関係ありません。
赤ちゃんがお腹がすいたときに毎回母乳を飲ませることになるとママは必然的に寝不足になってしまいますね。
産後ケア施設では、搾乳機で母乳を予め絞り出して施設の方に預けて冷凍保存しておくことができます。
そして、ママが身体を休めたいときには施設の方が冷凍保存していた母乳を赤ちゃんに与えてくれます。
これにより夜中はある程度の時間ママは身体を休めることができます。
出産したばかりのママ友と情報交換できる
産後ケア施設内には授乳室があるのですが、そこには大勢のママが授乳しています。みんな出産をしたばかりです。
「出産したら大変だよ」という言葉は聞いていましたが、実際に出産してみるまではその大変さを実感できないものです。
私達は一人目の出産でしたので、何から何までが初めてなのです。
授乳がうまくできないなど予め思っていたのと全然違うことがストレスになり精神的にも落ち込んでしまうこともしばしばです。
そんな状況では同じ状況のママと情報交換やおしゃべりができると気が晴れるものです。
二人目の出産をすませたママからのアドバイスももらえたりします。出産する前よりも後の方がより身近にアドバイスを聞くことができてタメになります。
室内が快適
私達は冬に出産しました。韓国の冬は結構寒いです。出産後のママの身体を冷やすのは厳禁です。
ですので産後ケア施設内の室温が暖かく保たれていたのは非常に助かりました。パパは室内では半袖で快適に過ごせるくらいでした。
また各部屋にトイレやシャワーが完備されていましたので、他の人に気兼ねすることがなかったのも良かったです。
悪かった点
ママ以外の人のためのサービスはない
ママ以外の人、例えばパパや家族など追加の費用は必要なく無料で滞在できます。私達の場合、パパもママと一緒に3週間滞在しましたがパパの分は無料でした。
しかし、パパの食事は出ませんでした。追加で食費を払うと交渉したのですが無理でした。毎食外食になってしまうと健康に悪いですし食費が高くつきそうです。
幸いにもママの実家から様々なおかずを届けて頂きましたので外食を殆どする必要がなく健康的に過ごすことができました。実家の協力に感謝です。
洗濯機がない
部屋着は施設から貸与されており毎日新しいものを着れるのでよいのですが、洗濯機がないと下着やタオルなどの洗濯に苦労します。
また、一緒に滞在しているパパの服を洗濯する場所がありません。
そして、部屋の中は広いのですが洗濯物を干すための設備がありませんでした。
シャワー室で頑張って洗濯しても乾かすのが大変だったのです。
産後ケア施設から実家まではとても徒歩でいける距離ではなかったので洗濯するために実家に戻るのも大変です。
今回は産後ケア施設の近くにコインランドリーがありましたので助かりました。近くにコインランドリーがなかったら結構大変だったと思います。
感想
ここに記載した内容はあくまで私達が利用した産後ケア施設のサービスです。
但し、上述の悪かった点は産後ケア施設の本質的なサービスではありません。
実際に産後ケア施設を利用した感想ですが、ママの身体の回復に専念させることができる環境として、産後ケア施設は非常に良かったです。
日本でも産後ケア施設は是非普及して欲しいです。